
| 道具4 | 冷蔵庫を温めるもの。 | ||
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夕方とっぷりと陽が沈むようになって裏山の栗の木が実り、ときおりトサ、トサ、っと栗が落ちる音がしています。毎朝、庭をまわる家族がボウルに集めてくる茶色の小山に「今年は豊作!」と喜びいさみ、最初は栗ごはん、渋皮煮、サラダ云々と続けてみたものの…それでも増えていく栗の山。冷蔵庫も冷凍庫ない時代、一度に採れすぎる野菜、食べ切れない量の魚や肉を目の前にして、日に日に傷んでいく食材をいかに長く保存し、美味しく食べ続けるかは果てなき先人達の命題。改めて先人達の知恵に感心です。 豚一頭をハムやソーセージに変えて、ひと切れ、ひとしずくも無駄にせず食べつないでいくドイツ人の知恵。日本が誇る高野豆腐、民家の軒先に吊るされた干し大根も、凍らせたあとに乾燥させて保存し、再び戻して使う保存の知恵の固まりです。 |
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ごはんや下ごしらえした野菜ならラップで包むだけで保存可能ですが、シチュウやカレーなど汁気のあるものはストッカーを使いましょう。お薦めなのは重ねられて、匂い移りがなく、冷凍も冷蔵にも耐えられる素材のもの。なかでも鋼板にガラス質の釉薬がかかった「ほうろう」は全ての条件をクリアする優れものです。オーブン焼きも可能、しかも冷凍庫から取出してそのまま弱火にかけて温め直すこともできるというのですから驚きです。 こんな純白のストッカーは、お皿代わりにもどうですか?グラタンの材料を入れておき食事の時間にあわせてオーブンへポン。焼き上がったらそのまま食卓へどうぞ。マリネやサラダを入れて冷やしておけば、器も冷やされて美味しさも長もちです。フライの時に使うパン粉や小麦粉は余りを無駄にしがちですが、平たいストッカーに入れておけば調理バット兼保存容器で一石二鳥。 「ほうろう」で思い出したのがツタンカーメンの黄金マスク。紀元1300年のエジプトのいにしえより、王の亡骸を後世に伝えたあのマスクもほうろう製だとか。とはいえ、冷蔵庫のシチューはお早めに召し上がれ。 PS: 今日のメニュー *野菜たっぷりのシチュー 温めなおしたシチューをそのままon tableで。これからがシーズンのじゃがいも、里芋、蓮根など根菜類を加えても美味。 *おいしいコラム「おいしい台所」第四回 奥村文絵=構成・文・写真 +次を読む +前を読む +バックナンバー |