| 金沢のハントンライス | ![]() |
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| 百万石の城下町に出現した地域限定洋食 | ||
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金沢はやたらに銭湯の多い街です。浅野川沿いを歩いても犀川沿いを歩いても銭湯の煙突が低い家並みの町ににょきにょき立っているのが見えます。電話帳で検索すると46軒もありました。ちなみに古い落ち着いた城下町という共通点のある、島根県の松江には銭湯が1軒もありません。どうやら金沢の人は外のお風呂に入りに行くのが大好きなようです。重厚な出し桁の商家が軒を連ねる表通りの裏に入れば鍵状に入り組んだ古い路地の町*1が残っています。そういった街路をそぞろ歩いて「銭湯のはしご」を試してみるのもまた一興かと思います。 |
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街の景観を決定する要因の第一は街路であります。建物が変わっても、街路の幅員と区画が保存されれば街の景観の印象は変化しないものです。大正時代に架けられた美しいトラス橋『犀川大橋』は現在の交通事情を鑑みると少し窮屈な嫌いがありますが、この橋が金沢の景観の魅力を高めていることは、衆目の一致するところであります。 |
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さて犀川のほとりが金沢の歓楽街「片町」です、この北陸第一の歓楽街の中にハントンライスの名店『グリルオーツカ』はひっそりとあります。洋食屋さんに多い「グリル○○」「キッチン○○」、この二つを比較してみますとグリルの方は歓楽街にあり、キッチンは学生街や商店街にあり、グリルの方がキッチンより照明が一段暗いという傾向があるように思われます。グリルオーツカは正しく「グリル系」洋食屋さんでありました。 |
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ハントンライスという奇妙なネーミングの由来は諸説ありますが、ハンは国名の「ハンガリー」、トンはマグロの意の由(グリルオーツカ店員談)、浅学の身には東欧ハンガリーと聞いても『ルービック・キューブ*3の国』としか思い浮かばないのですが、運ばれてきたハントンライスはバターたっぷりのケチャップライスにかためのオムレツが被さり、その上に高温でカラリと揚げた魚と海老フライが乗り、濃厚なベシャメルソースとケチャップをたっぷりとかけた、まことにボリュームのある洋食料理です。メタリックなステンレスの食器に盛られたカラフルな暖色系のハントンライスは視覚的にも食欲をそそる一品でありました。満腹したら日本を代表する名園である「兼六園」を逍遥し『時雨亭』*4で池を眺めながら抹茶と落雁で締める。というコースを推薦します。 |
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あのうまいうまいハントンライスを家でも喰べたい! という向きは以下のレシピを参照して作るべし。ハインツのトマトケチャップとちょっとだけホワイトソースを使えばかなりのレベルで再現可能です。 ★「ハインツハントンライス」の作り方★ ----------------------------------------------- 材料(2人分)【ケチャップライス】玉ねぎ1/4個、ごはん400グラム、バター15グラム、ハインツ トマトケチャップ大さじ3、卵4個、塩・こしょう少々、サラダ油少々、【フライ】ほたて2個、えび2尾、小麦粉、卵、パン粉それぞれ適量、ハインツ トマトケチャップ少々、ハインツ ちょっとだけホワイトソース1袋、パセリのみじん切り小さじ1、揚げ油適量 <引用説明> ----------------------------------------------- *1古い路地の町 金沢市内には藩制期以来の街並みが方々に残っています。主計町界隈が特に「古都の胎内めぐり」が味わえる地区であります。 *2犀川大橋 近くで見るとリベットでかしめにかしめた無骨なトラス橋ですが、遠くから眺めると優しい女性的な印象の橋です。唯一無比の強力なランドマークとして機能しているのは繁華街のすぐ横に架かっているからです。 *3ルービックキューブ ハンガリーで発明された立体パズル。推定IQ130あればヒントなしで6面揃えられるそう。世界大会も開かれており、手だけでなく足だけで6面揃える種目があったりします。 *4時雨亭 兼六園内長谷池畔にある茶室。「石垣貼り」の障子に囲まれた静謐な空間でお茶と生和菓子を楽しめます。 取材・撮影・文章=高木壮太 +次を読む +前を読む +バックナンバー |