| 仙台の牛タンカレー | ![]() |
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| 文化の香り高い杜の都で極上タンパク質補給 | ||
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東京から北上すること360km、東北地方の中心都市、仙台は「杜の都」として有名です。森も杜も「樹木が茂り立った所」(by三省堂広辞林)という意味ですが、杜の場合は人工的に植林された、という意味合いが強いようです。実際、仙台の中心市街地ほど街路樹の豊かな都市は他に見当たりません。四列の巨大なケヤキが、頭上を覆いつくす定禅寺通りをはじめ、青葉通り、広瀬通りなど、完璧に整備された街路*1は見事なものです。仙台城跡(青葉城)の伊達政宗像前から見晴らす仙台市街のスカイラインと緑の濃さを見ると「日本の都市の平均が、これくらいだったら」と羨望の溜息が出てきます。 |
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また仙台は建築物の趣味の良いことも特筆すべきことです。仙台の玄関口にして東北最大のターミナル、仙台駅の横に伸びたレンガ色の低層駅ビルと日本最大のペデストリアンデッキ*2網は将来的に「昭和50年代を代表する建築」として建築史に名を残すことになるかもしれません。今世紀になって完成した、せんだいメディアテークもまたしかりです。赤と黒と大量の白で構成された仙台市民図書館の内部空間はおどろくほどお洒落なデザインで、「デートに使える図書館」になっています。勾当台公園で夕涼みをしながら文化的な街だなあという感慨にふけっていると、林の中でG線上のアリアをオカリナで独奏している人がいます。やることなすこと徹底的に上品で文化的であります。 |
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さて上質の文化を構築維持するためのエネルギーはどこから供給されているのでありましょうか? それは牛タンであります。東北地方最大の歓楽街、国分町*3をそぞろ歩くと、次から次へと現れる牛タン専門店、看板メニューに牛タンと書いた飲食店が軒を連ねており、さすが牛タンの街だなという印象です。100万都市で大量に消費されている牛タンの総量を思うと、いったい余った牛の他の部位はどうなっているのか? と心配になるほどです。 |
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厚切りにした牛タンを網で焼く。という食べ方が、もっともポピュラーでありますが、もちろん、上質の牛タンはシチューにしてよし、燻製にしてよし、さまざまな調理法があります。今回は、仙台最大の牛タンチェーン「利久」にて、牛タンカレーを堪能です。信じられないくらい柔らかく煮込まれたサイコロ状の牛タンを惜しげもなく投入し、まろやかな伝統的日本風カレールーにからめた一品は奇をてらうことの無い、質実剛健にして華麗な味で、一口食べるごとに「青葉城恋歌」*4あるいは「G線上のアリア」の優雅な調べが頭の中で鳴り響くのでした。 |
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あのうまいうまい牛タンカレーを家でも喰べたい! という向きは以下のレシピを参照して作るべし。ハインツの欧風ビーフカレールウを使えばかなりのレベルで再現可能です。 ★「ハインツ牛タンカレー」の作り方★ ----------------------------------------------- 材料(5人分) ハインツ 欧風ビーフカレー(中辛)1缶、牛タン400g、たまねぎ1/2個、セロリ1本、にんじん1/2本、ベイリーフ1枚、塩小さじ2、黒こしょう少々、サラダ油適量、ごはん3合、フライドオニオンお好みで、パセリのみじん切りお好みで <引用説明> ----------------------------------------------- *1 完璧に整備された街路 勾当台公園あたりの交差点から街を見渡すと、電線地中化のなされたきれいな街路が四方に果てしなく続いている様に驚愕します。かの司馬遼太郎氏は「日本の都市プランナーはヨーロッパの街を手本にするのではなくて仙台を手本にしなはれ」と言っていました。 *2ペデストリアンデッキ 駅から横断歩道や階段を通らずに駅前のデパートやテナントビルに直接入れる歩行者専用の高架通路のことです。世の中には「ペデストリアンデッキマニア」という人たちがいて、「ペデストリアンデッキデータブック2006〜東京首都圏ペデストリアンデッキへの旅〜」法政大学安藤直見研究室編、という写真満載の本が出版されています。 *3国分町 こくぶんちょう。と読みます。古い仙台っ子は「こっぷんまち」と発音するそうです。広いエリアに跨る大きな歓楽街です。国分町発祥のカクテル「レゲエパンチ」は女の子に大人気で、いまや全国区になりました。 *4青葉城恋歌 仙台の地元DJさとう宗幸が1978年に大ヒットさせた「ご当地ソング」の金字塔的楽曲。仙台駅や七夕祭りでも流れ、楽天ゴールデンイーグルスのチャンステーマにも使用されています。 取材・撮影・文章=高木壮太 +次を読む +前を読む +バックナンバー |