コラム「ローカルフードレシピ帳」

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ローカルフードレシピ帳
福島いわきのカニピラフ
福島県民はなぜカニピラフをソウルフードとしたのか?
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福島県にはどういうわけか、ハレの日に家族全員でカニピラフを食べる風習があります。とくにカニの産地でもなく中近東*1とゆかりがあるわけでもない福島県にカニピラフ文化が定着しているのは、実に不思議なことであります。その秘密は福島県内に展開している、あるシーフードレストランに起源を求めることができます。

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その歴史は40年以上前にさかのぼります。とある遠洋漁業船団長の男性が中米メキシコに出かけたときに、カリブ海で真紅のフラミンゴ*2の群れを見て感動しました。そこで船団長はフラミンゴを日本に持ち帰り、飼育したフラミンゴを眺めながらシーフードを食べられるレストランを開業しようと、思い立ちました。なにやら飛躍に過ぎると感じる方もおられましょうが、電光のようにひらめくアイデアとは、常にとりとめの無い形をとることが多いのもまた事実であります。

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ともあれ福島県いわき市*3に1970年*4にOPENしたシーフードレストランはカニピラフを発表するやいなや、全県からカニピラフを食べる客が押し寄せ、またたくまに大人気メニューとなったのです。フラミンゴを眺めながらカニピラフを食べる……この明るく楽天的な風習は一般的な東北人のイメージとは違う、もうひとつの開放的な一面を垣間見せてくれるものであります。


以来40年間、カニピラフを名物としたシーフードレストランは全県にあまねくチェーン展開し、東日本各地はおろか外国にまで進出するようになりました。全国の洋食系ローカルフードの例に漏れず、多分に偶発的な起源ではありますが、みごと40年間にわたって福島県民の間に浸透し定着を見せたカニピラフ、もちろんバターをたっぷり使ったその滋味あふれるおいしさが、食いしん坊の福島県民の舌を喜ばせ続けたことが最大の理由であることはここで申し上げるまでもないことです。


あのうまいうまいカニピラフを家でも喰べたい! という向きは以下のレシピを参照して作るべし。ハインツのトマトケチャップを使うことでよりカラフル、より芳醇な味のカニピラフが作れます。

★「ハインツカニピラフ」の作り方★
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材料(4人分)米2カップ、チキンブイヨン(または水)2カップ、白ワイン50cc、たまねぎ1/2個、パプリカ(赤、黄)各1/2個、ずわい蟹300g、バター30g、ハインツ トマトケチャップ大さじ3、塩小さじ1/2、こしょう少々、イタリアンパセリ少々


<引用説明>
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*1 中近東
ピラフはインドからギリシャまでの広い範囲で見られる米料理、特に中近東トルコが有名でトルコ語のpilav(ピラブ)がフランスに伝わりpiraf(ピラフ)となりました。

*2 フラミンゴ
アフリカから南ヨーロッパ、中米にかけて分布する鮮やかなピンク色が特徴の大きな鳥フラミンゴは大変長寿で飼育下では50年以上の寿命を持ちます。当シーフードレストランのフラミンゴは開店当初から40年以上も生き続けてフロアマネージャーより年上という、「歴史の生き証鳥」であります。

*3 いわき市
広域合併都市で以前は日本で一番面積の広い都市でした。常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)のある街として有名です。

*4 1970年
現在日本で展開するファストフードやドライブイン形式のファミリーレストランはこの大阪万博のあった1970年前後に出現したところが実に多いのです。高度経済成長が頂点に達し日本人の生活様式の一大画期がこの時期に起こったのだと思われます。


取材・撮影・文章=高木壮太


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