コラム「ローカルフードレシピ帳」

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ローカルフードレシピ帳
宮島のカキクリームコロッケ
世界遺産 厳島(いつくしま)神社で食べる広島湾の恵み
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日本三景の一つ安芸の宮島は、正式名称を厳島*1と呼び、波穏やかな広島湾の北西に浮かぶ風光明媚な島です。世界遺産として有名な厳島神社へは、広島市内から路面電車で約1時間、宮島口から対岸へフェリーで10分で着きます。フェリーを降りると船着場前の広場には鹿*2がたくさん放し飼いされており、観光客に愛嬌を振りまいています。参道沿いには土産物店や飲食店、旅館がずらりと軒を連ね、名物のもみじ饅頭や、名産のカキを使った料理の看板が林立しています。

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厳島神社は古代より島そのものが神とされ信仰の対象とされてきた厳島の社殿で、平家一門の崇敬を受け平安時代末には現在見られるような海上の大社殿が建立されました。海の真ん中に立つ朱丹の大鳥居は高さ16メートルで宮島のシンボル的存在です。神社後方の険しい山は弥山とよび、ロープウェイで途中まで登ることができます、頂上に立つと瀬戸内海の多島美が眼下に望まれ、かの伊藤博文公*3が「厳島の真価は弥山からの眺望に有り」と絶賛したことがうなずける絶景です。

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弥山の頂上やフェリーから、広島湾に浮かぶおびただしい量のいかだが見えますが、それらはみなカキの養殖いかだです*4。竹製のいかだからロープでカキを吊るして養殖しているのです。広島県の養殖カキは全国生産量の半分を占め、広島市内を流れる川にはカキ船が浮かび、カキのさまざまな料理が楽しめる広島はまさにカキ王国の感があります。
近年、宮島の参道やフェリー乗り場、高速道路のSAなどで良く目に付く「カキクリームコロッケ」はカキのクリームシチューとカキフライを合体させたアイデア商品で、歩きながらスナック感覚で手軽に食べられることから観光地で大人気です。しかしこれ本当においしいですね、男性なら5個くらいは一瞬で食べられそうです。ご飯のおかずにもいけますし、カレーに入れるのもありでしょう。海のミルクの異名を持つ栄養満点のカキ、生で良し焼いて良し揚げて良しの万能食品ですが、カキ王国広島でその洗練の極致を垣間見た気がしました。

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あのうまいうまいカキクリームコロッケを家でも食べたいという人は、以下のレシピを参照して作ってみてください。ハインツのちょっとだけホワイトソースを使えばかなりのレベルで再現可能です。

★「ハインツのカキクリームコロッケ」の作り方★
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材料(2人分)カキ(加熱用8粒)150g、ハインツ ちょっとだけホワイトソース2袋、薄力粉適量、生クリーム50ml、白ワイン大さじ2、たまねぎ1/2個、マッシュルーム2個、塩・コショウ少々、小麦粉適量、卵適量、パン粉適量、サラダ油適量

<引用説明>
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*1 厳島
広島県廿日市市に属する周囲31km、人口2500人の島、古来より信仰の島であったおかげで手付かずの原始林が残り、いまでも島一周の道路はありません。古くからの慣わしで島民はお産やお葬式は島外で行います。

*2 宮島の鹿
宮島のどこにでもいる鹿は神の使い神鹿とされています。かわいらしくおとなしいので子供でも安心して手を触れることができますが、観光客のお弁当や手に持ったパンフレットや紙幣を、悪びれることも無くむしゃむしゃ食べてしまいますので注意が必要です。

*3 伊藤博文(1841-1909)
幕末の長州藩志士として、初代内閣総理大臣としてあまりにも有名な伊藤博文公は厳島ファンで、厳島の弥山三鬼大権現を厚く信奉しており、たびたび宮島を訪れていました。宮島の名物もみじ饅頭の由来にも伊藤公のユーモラスな逸話が残されています。

*4 広島湾のカキ養殖
広島湾のカキ養殖の歴史は古く戦国時代にまで遡ります。水質が良く、波が穏やかで干潟が発達した広島湾ではさまざまな養殖法が考案され、今日国内シェア50%を誇るまで隆盛しました。現代見るような筏式垂下法は総和20年代後期から急速に普及したそうです。


取材・撮影・文章=高木壮太


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